新型コロナウイルス対策その3:雇用調整助成金(特例措置)について

大阪府知事による休業要請(4/13発表)では、理美容室においては社会生活を維持するために必要な業態として要請の対象外となりましたが、先の緊急事態宣言を受け、該当するエリアの美容室においては休業・営業制限(営業時間短縮・1時間あたりのご予約制限等)・通常営業継続など、様々な経営判断が行われています。

仮に休業や営業時間短縮などを実施した場合には、売上はゼロあるいは減少した状況となり、人件費や家賃といった固定費がサロンに与える負担は大きくなります。
サロンの健全な運営、大切なスタッフ様の雇用を維持するためにも、厚生労働省が4月1日に特例措置を設けた雇用調整助成金のご利用をご検討頂ければと存じます。

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[su_spoiler title=”雇用調整助成金とは” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]経済上の理由により事業活動の制限を余儀なくされた事業者に対し、雇用維持の目的で国が休業手当等の一部を助成する制度です。
従業員を休業や出向をさせた場合などに、条件に応じて支払われます。[/su_spoiler]
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今回コロナウイルスの感染症の影響を受けて特例措置(厚生労働省:令和2年3月27日掲載) が設けられ、従来の条件より緩和されております

①休業計画の事前提出が必要⇒6/30までの事後提出が可能
②生産指数3か月間で売上10%減少⇒1か月で5%減
*生産指標の確認は提出があった月の前月と対前年同月比で確認します
③雇用指数⇒雇用量が増えていても助成対象
④事業所設置後1年未満は申請不可⇒一年未満でも助成対象
⑤休業補償引き上げ 中小⇒は4/5助成・解雇を行わない場合は9/10助成 支給限度日数⇒4/1~6/30に関しては従来1年間100日とは別枠
 *対象労働者1人1日当たり上限8330円となります
⑥雇用保険対象外の労働者への休業補償も助成対象
⑦雇用保険被保険者として継続雇用6か月未満の従業員も助成対象
⑧過去に本助成金を受給したことがある事業主⇒支給完了日から一年未満でも助成対象・支給限度日数から過去の需給日数を差し引きせず

従来ですと、支給まで2カ月を要する助成金ですが、厚生労働省はより短い期間での支給を目指すとして、従来の書式から項目数が減少しております。

経済産業省パンフレット:新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様へ

助成金お問い合わせ窓口

滋賀県 職業対策課 助成金コーナー 077-526-8251
京都府 助成金センター 075-241-3269
大阪府 助成金センター 06-7669-8900
兵庫県 ハローワーク助成金デスク 078-221-5440
奈良県 職業安定部 助成金センター 0742-35-6336
和歌山県 職業対策課 073-488-1161

新型コロナウィルス対策その2:新型コロナウイルス感染症特別貸付(日本政策金融公庫)

先日に引き続き、政府の緊急対応策の第2弾として発表された日本政策金融公庫の新型コロナウィルス感染症特別貸付と特別利子補給制度についてご案内いたします。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウィルス感染症によって影響を受け、業績が悪化した事業者(事業性のあるフリーランスを含む)に対して、信用力や担保に依らず一律金利とし、融資後三年間まで0.9%の引き下げを実施しています。融資枠が別枠ですので、既に日本政策金融公庫の融資を受けている場合でも申し込みが可能です。

融資対象(下記のいずれか)
①最近1カ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少した方
業歴3カ月以上1年1カ月未満の場合は、最近1カ月の売上高がいずれと比較して5%以上減少している方
a 過去3カ月(最近1カ月含む)の平均売上高
b 令和元年12月の売上高
C 令和元年10~12月の売上高平均額
※個人事業主(事業性のあるフリーランス含、小規模に限る)は影響に対する定性的(数字以外の部分に着目した)説明でも柔軟に対応

使途貸付期間金利担保
設備資金・運転資金設備20年以内・運転15年以内融資後3年は基準金利より▲0.9%無担保
利下げ限度額:中小事業:1億円/国民事業:3000万円

特別利子補給制度

前述の新型コロナウィルス感染症特別貸付にて融資を受けた中小企業者のうち、特に影響の大きい、事業性のあるフリーランスを含む個人事業主、また売上高が急減した事業者に対して利子補給をおこなうことで借り入れ後3年間は、実質無利子となる資金繰り支援です。

適用対象
要件
売上高要件の比較は、上記特別貸付で確認する最近1ヵ月に加え、その後2ヵ月も含めた3ヵ月間のうちのいずれかの1ヵ月で比較
①個人事業主 事業性のあるフリーランスを含み、小規模*に限る要件なし
②小規模*事業者(法人)売上高▲15%
③中小企業者(上記を除く事業者)売上高▲20%
*小規模とはサービス業においては5名以下を指します


例)
①2020年2月 340万

 2019年2月 350万
 2018年2月 360万
2019年では非該当、2018年比較時で▲5.6%と該当するので新型コロナウイルス感染症特別貸付の要件を満たします。5名以下の個人事業主であればさらに利子補給制度利用可能です。


衛生環境激変対策特別貸付

生活衛生関係者の経営安定のために設けられた特別貸付制度です。理美容業はこの生活衛生業にあたり、制度の対象に含まれていますが、上記の新型コロナウイルス感染症特別貸付のほうが担保や金利などで有利な制度となっておりますので、借入時はそちらで申込を進めることをおすすめします。

  • 融資枠:新型コロナウイルス感染症特別貸付とは異なる別枠で1000万
  • 基準金利:1.91%生活衛生同業組合員については▲0.9%
  • 貸付期間:運転資金7年以内

申込の流れについて

日本政策金公庫のページにて申込フローやQ&Aが記載されております。

新型コロナウィルス対策その1:セーフティネット保証4号・5号・危機関連保証について(信用保証協会)

新型コロナウィルスの影響でサロン運営に影響が出始めているとご相談を受けるなか、今後影響がどこまで及ぶかは不透明な状況です。不測の事態に備えてセーフティネット保証4号・5号および危機関連保証についてご案内をさせて頂きます。
上記は新型コロナウイルスの感染拡大に対する政府の緊急対応策の第一弾として発表されたもので、危機関連保証は3/13に拡充されました。

[su_accordion class=””][su_spoiler title=”セーフティネット保証とは(クリックで表示)” open=”no” style=”default” icon=”plus-circle” anchor=”” class=””]取引先等の再生手続等の申請や事業活動の制限、災害、取引金融機関の破綻、大規模な経済危機等による信用の収縮等により経営の安定に支障を生じている中小企業者について、保証限度額の別枠化等を行う制度(中小企業庁) つまり取引先の倒産や災害あるいは経済危機(新型コロナウイルスによる業績悪化)等の際に、要件を満たせば通常の貸付限度額とは別枠で追加の保証が利用可能となる制度です。 [/su_spoiler] [/su_accordion]

[su_accordion class=””][su_spoiler title=”危機関連保証とは(クリックで表示)” open=”no” style=”default” icon=”plus-circle” anchor=”” class=””]リーマンショック時や東日本大震災時等と同程度に短期かつ急速に低下することにより、我が国の中小企業について著しい信用の収縮が全国的に生じていることが確認でき、国として危機関連保証を実施する必要があると認める場合に、実際に売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置です(中小企業庁) ※今回、全事業種において危機関連保証の発動が発表されております。要件を満たせば通常及びセーフティネットの貸付枠とは別枠で追加の保証が利用可能となります [/su_spoiler] [/su_accordion]

認定基準
認定基準売上高減少基準(下記のいずれか)
最近1カ月の売上高等と最近1カ月を含む最近3カ月の平均売上高等を比較して
最近1カ月の売上高等と令和元年12月売上高等を比較して
+
その後2カ月間(見込)を含む3か月の売上高等と令和元年12月売上高等の3倍を比較して
最近1カ月の売上高等と令和元年10~12月の平均売上高等を比較して
+
その後2カ月間(見込)を含む3か月の売上高等と令和元年10月~12月の平均売上高等を比較して

種別保証4号保証5号危機関連保証
売上高減少▲20%▲5%▲15%
保証限度枠(一般融資と別枠)2億8000万円
4号・5号連共通枠
2億8000万円
4号・5号連共通枠
2億8000万円
セーフティ4号5号とは別枠
保証割合100%80%100%
対象自然災害などの突発的事由全国的に業績悪化している業種全事業種
 

[su_accordion class=””] [su_spoiler title=”※保証割合とは(クリックで表示)” open=”no” style=”default” icon=”plus-circle” anchor=”” class=””] 債務者が返済不能となった場合、銀行に対して保証協会代わりに返済を行います(代位弁済)。
保証割合というのはこの代位弁済時に、100%なら保証協会がすべてを銀行に建替え、80%なら残りの20%を銀行がリスク負担しなければならない、という割合のことになります。
代位弁済を行った時点で保証協会は債務者に対して求償権を得ますので、債務者やその連帯保証人が返済をしなくてよいわけではなく、信用保証協会に返済を行う必要があります。
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例)認定基準②の要件の場合
  2019年12月売上400万:2020年 2月売上340万 比較して▲15%
  +
  2020年 2月売上340万+3月350万(見込)+4月330万(見込)=1020万
  2019年12月売上400万×3=1200万
  1200万:1020万 比較して▲15% 

  ②の要件で危機関連保証とセーフティネット保証5号の両枠を満たします

認定要件を満たしていれば市町村に申請して認定

事業所所在地の市町村の各ホームページにて様式ダウンロード後に記入、必要書類を揃え、申請を行います。

認定後、保証協会に融資申込

市町村長の認定を受けましたら、信用保証協会の新型コロナウイルス感染症特別貸付に申し込みを行います。
※セーフティネット保証の認定を受けても、審査は信用保証協会が行い、融資が実施されない場合もございます。融資が下りた場合には信用保証料が差し引きされます。

問い合わせ窓口

新型コロナウイルス感染症関連の詳細はこちら(経済産業省)
融資制度のパンフレット(pdf)などもございます